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2016年版
バリアフリーカレンダーの
製作過程を公開! Part4

数回に分けてお送りしてきた、製作過程も今回が最後となります。

最後となる第4回目は、版の改良とその後の調査です。

平成27年8月下旬~
前回のリサーチ結果をもとに、
1.数字の大きさを2015年版よりも小さく(前回比90%、85%、80%の3パターン)
2.祝日の下部の点線の間隔を広げ、点1つ1つを大きく(間隔・点の大きさの違う3パターン)
この2点を変更して、製版会社へ新たな版の製作を依頼しました。

平成27年9月~
製版会社から新たな版が到着し、試作を行いました。
DSC_0148 左2列が90%、真ん中2列が85%、右2列が80%

90%では見た目での変化はわかりづらいですが、触って読んでみると若干の違いがありました。
数字が小さくなった分、指でなぞった際に数字全体が指に収まる感覚があり、 比較的早く数字を認識できるようになりました。
しかし85%、80%と小さくなるほど指に収まりやすくなる反面、数字が認識しづらくも感じました。

その他思いがけないことに、数字の浮出る高さが今まで以上に上がりました。
これは数字の大きさが小さくなったことで浮出し部分へ今まで以上に力が集中したことがキッカケとなったようです。

平成27年9月中旬~
新たな試作品での調査
前回同様、数日間にわたり点字図書館や視覚障害関係施設の職員・利用者合わせて15名に調査を依頼。加えて、視覚障害者関係の団体の方々にもご協力いただき調査を行いました。

1.数字の大きさ
 2015年版カレンダーと、数字の大きさが違う3パターンにそれぞれ触れていただき、読み取りやすさについて意見を伺いました。
まず、数字が小さくなったので従来に比べ3パターンとも読み取りやすいとの声が多く聞かれました。
しかし小さすぎると似た形状の数字は区別しづらく、慣れている人でないと読むのは難しいとのことでした。指先の感覚では見た目以上に大きな差があるようです。
この結果を踏まえ、数字の大きさは前回比90%での製作に決まりました。

2.祝日の下部の点線
 点を大きく・点同士の間隔を広くする、などで変化をつけてみましたが、こちらは触る人の好みによって意見が分かれたので、ハッキリと点線とわかるものでの製作に決まりました。

その他には、
 現在、曜日はアルファベットの頭文字1文字を、その月の第1週目の上にのみ現しています。しかし、最初に指で曜日を確認してから数字を読む際、途中で何曜日か忘れてしまう可能性があるため、第4週目または5週目の下にも曜日を付けてほしいとの意見をいただきました。
この意見は、その後の調査でも同様の声が聞かれたので、採用することにしました。

今回の結果をふまえて、2016年版バリアフリーカレンダーの版が決定いたしましたので、本格的に作業に入ります。


以上で【2016年版バリアフリーカレンダーの製作過程を公開!】は終了となります。
すべてはお見せ出来ませんでしたが、出来る限り調査も回数を重ね、多くの声をもとに2015年版を上回る使い易さを実現します。

現在、2016年版の製作も大詰めの段階に入っています。
完成しましたら、皆様に生まれ変わったバリアフリーカレンダーをご紹介させていただきます。


2016年版
バリアフリーカレンダーの
製作過程を公開! Part3

第3回目は、改良点の調査についてです。

平成27年8月
◆2015年版カレンダーからの改良点

 前回から少し時間が経過しましたが、第2回目以降も引き続き、浮き上げのテストを行っています。
それと併せて、昨年製作した2015年版カレンダーの改良点について調査を行いました。
高さのことは勿論ですが、数字の大きさ・太さ、色、使いやすさなど、 2016年版はより機能性に優れたカレンダーにしていきます。

 まず点字図書館や視覚障害関係施設に依頼し、職員の方や施設の利用者にご意見を伺いました。
すると、数字の大きさを“小さくした方がいい”との意見が多くありました。
これは、浮出た数字を指でなぞる際に、数字全体が指に収まっていないと認識に迷いが出ること。
それによって読むのに時間が掛かり疲れてしまうため、とのことでした。

 また意外だったのは“点線”についての意見でした。 26 !cid_5424972F-DC51-4065-BC55-FA12F46589EC バリアフリーカレンダーでは、祝日の場合、数字の下に点線を引くことで他の平日や休日との違いを表現していましたが、点1つ1つが小さく間隔も狭いために、触ると1本線にも読めてしまうということでした。
確かにこれでは、何を意味しているのかわからず迷ってしまう可能性も考えられます。

日常的にバリアフリーカレンダーに触れているはずの私たちでも気がつかない事が多くあり、非常に収穫の多い調査となりました。

今回の調査結果をもとに、新たに発見した改良点にも着手していきます。



2016年版
バリアフリーカレンダーの
製作過程を公開! Part2

第2回目は、新たな版の完成とそれを使った試作についてです。

平成27年6月19日
◆版の完成
 前回(6/16)、さらなる改良を目指し製版会社との打ち合わせをした結果、新たに2種類の版の製作を依頼。 その3日後、完成した版が届きました。

平成27年6月20日
◆新しい版を使った浮出しのテスト
 早速、新たな版での試作を行いました。

結果を写真で比較をしてみます。
最初は従来の版での試作 DSC_0112 浮き出た高さが不十分なせいか、文字に丸みを帯びていて、ふっくらした仕上がり。

続いて新しい版での試作 DSC_0111 こちらは文字に高さが出たことで、くっきりとしたシャープな印象。
指で触った感じも良く、一層読み取りやすい高さへと浮き上がりました。
そして何より、“しわの出ない”範囲でここまで浮き上がったことが一番の収穫でした。

ちなみに、実際にしわが出てしまった際の写真です。 DSC_0124-1 文字はすごく浮き出ていますが、数字の下部にしわが出てしまいます。
これでは見た目も悪く、触って読む際にも邪魔になり誤読の危険性もあるのです。

今回の試作の結果をふまえ、視覚に障害のある方にも安心してお使い頂けるよう、 しわに注意しながら
ハッキリと読める高さを出せるよう今後も改良していきます。


2016年版
バリアフリーカレンダーの
製作過程を公開! Part1

現在製作を進めている「2016年版 バリアフリーカレンダー」の製作過程をご紹介します。
すべてをお見せすることは出来ませんが、本製品への思いやこだわりポイントなど、カレンダー完成までのプロセスを、日付を追いながら数回に分けてご紹介していきます。

第一回目となる今回は、浮き出しの基礎となる“版作り”についてです。

平成27年6月16日
◆触って読める文字を高く浮き出す試作
  バリアフリーカレンダー最大の特徴である、“触って読む”ことを 可能にする文字の浮き出しは、当然浮き出す高さが高ければ読みやすくなります。 しかし、浮き出す高さのみを追求すると、浮き出す際に紙が引っ張られるため紙にしわが寄り、破れてしまうこともしばしば。
今年の2015年版からのさらなる改良を目指し、十分な高さを確保するための試作を行いましたが、高さを出すことにこだわった結果、文字の浮き出た高さは上がるものの、見た目が悪く製品として出せるものではありませんでした。
いかに、しっかりと読める文字の“高さ”と見た目の“美しさ”のバランスを保てるかがポイントでした。
そこで重要な役割を、用紙と版が担うのです。


◆製版会社との打ち合わせ
  紙を浮き出す際に使用する版は、 “雄型と雌型”(※写真参照 左:雌型、右:雄型)の版を組み合わせて出来ています。
DSC_0099 この組み合わせの調節こそが見た目に気を遣いつつ、十分な高さの確保へと繋がります。

そこで製版会社の営業の方に相談にのっていただき、
1.版の組み合わせの比率を多少変更する
2.営業の方のオススメの版を製作する

新たにこの2点での改良を進めることにしました。



2016年版
バリアフリーカレンダーの
ご案内

shinbido_05

昨年販売を開始し、好評を得ました「バリアフリーカレンダー」。
2016年版の制作を始めています。
昨年度の製品案内はこちらをご参照ください。

真美堂では、2016年版をお取扱くださるお店や、
企業様、団体様を募集しています。
また、浮き出し文字・箔押しによるお名前の刷込なども対応可能です。
詳細はどうぞお気軽に小社までお尋ねください。



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